デイ・ショア・ジャイアントベイトシーバスで徹底テスト。伊藤秀哉的「MX-∞+」のトリセツ2025。

久しぶりになります。

半信半疑で言い切ることができず保険をかけながら書き進めた前回のレポートから半年、 大型ルアーでのシ ーバスゲームが自分なりにも確信となってきたこの頃です。

約一年ほどテストさせてもらっていた「MX-∞+」がそろそろ皆さんのお手元にも届くタイミングかと思いますので、自分なりの使い所の適材適所、 セッティングなどを釣果と共に解説していけたらと思います!! 

端的に表せば、 「MX-∞」の硬化バージョン。

ジャイアントベイトを “動かす” ためのロッドです。

ルアーサイズゆえに水噛みが大きく、 他のジャンルとはかけ離れるような引き抵抗がかかるジャイアントゲーム。 

硬い竿だからできるルアー操作が釣果に繋がること、 「MX-∞+」の誕生経緯については前回のレポート後半で紹介させてもらったため省きます (まだ未読の方は是非そちらからご覧ください!)。

近年の大型ルアーブーム (?) の恩恵か、 “超重量級が投げれる竿” は、 モンキスだけでも複数機種あるほど世の中に増えてきています。

しかし視点を変え、“ 動かす”竿としてみると現状はガラリ。 

重量クラスがスタンダードとなる釣りに、 今やド定番とも言える 「MX-∞」と比べても、 MX-∞+」で動かした場合、アクションに恐ろしいほどキレが出ます。

竿の仕事はルアーを動かすだけではない(飛距離やヒット後のクッション性など様々ある)ので、どちらがいいという話ではないです。

ただ“微妙な差”レベルじゃない、明確に、誰でもわかるレベルでアクションのキレが変わる、それは間違いない。

そんな「MX-∞+」、 マルチピースロッドだからこそできるジャイアントスタイルがあります。

それは、ボートと比べてまだまだ少ない、ショアからのジャイアントベイトゲーム

東京湾をメインとする自分の釣りの移動手段は、 原付か電車移動がほとんど。

移動を伴う岸釣りでは、50cm以下の仕舞寸は、 もはや必須条件です。

アーバンならでは、 時合い待ちにラーメン屋さんへ入っても足元に収まる快適さたるや。 

東京湾に限らず、2月に強行した韓国遠征では全荷物機内持ち込みにし、 その恩恵を活かしたスピーディーな遠征を展開 (その様子は YouTube で公開予定?)。 

ルアーサイズゆえ、 1箇所数投で勝負がついてしまう結果の早い釣り。

オープンウォーターですら、 ブレイク やベイトに当てた、 ピン撃ちのスピード感です。

まさにランガンスタイル。

圧倒的な仕舞寸だからこそできる、 ジャイアントベイトゲームが展開できるので す。 

もちろん、 小さくなるだけがディアモンスターではありません。

グリップ共通経の互換性を活かした組み立ても、 より快適に、 正確に、 ルアーを操ることができる一手になります。 

MX-∞+」(左)は「MX-∞」(右)と比較して、トリガー以下が半フィートほど長い、ロンググリップ設定となっています。

一方で、操作性を上げるため、 MX-∞+」(左)MX-∞」(右)バット(赤丸部分)を半フィート短縮化してあります。

MX-∞からグリップエンド(♯5)を半フィート伸ばし、バット(♯4)を半フィート縮めて……ここまではレングス的にはプラスマイナスはほぼゼロ。

ではなぜ、そんなバランス変更を行なったか?

全ては、ティップ硬度を上げ、その有り余るパワーを受け止めるため。

MX-∞+」(左)MX-∞」(右)からティップを1ガイド分、約10cm短く……つまり硬くなっています。

……こうして行き着いたレングス、ベストバランスは6’8″ft、「MX-∞」の7’0″ftよりも4インチ短くなりました。

MX-∞」同様、 重量級ルアーを扱うロッドとしては驚異的な軽さとバランスが取り柄な一方、 足場が高いフィールドではもう少しブランクスに長さが 欲しいことも……。

ジャイアントベイトのバイトは、ほとんどが足元ですからね!(重要)

最後まで仕掛けたい。 

そんなシチュエーションでは、兄弟竿となる「MX-∞」とリールシートセクションを組み替えることにより、 約半フィート分のブランクスを獲得。


自身ホームエリアとなるフィールドでは、 足場の高さから、 このセッティングが出番多め。 

また、 「MX-PROGRESS 30G」と組み合わせればさらに1フィート分レングスが延長……。

といった具合に、 6’8”フィートという操作性重視の竿を出発点に、 エリアや体格にアジャストできるひとりひとりの専用竿としての可能性を見出せるのです。 

フィールド変わって、 後ろに障害物のあるオーバーでのフルキャストができないエリアやサイドキャストが 増える近距離戦では、 長いリアグリップが服に引っかかり、 ストレスになることも……。

ここでも、「MX-∞」のリアグリップ(♯5)と入れかえることで取り回しの良さを獲得。

足場の整ったフィールドでは、 「MX-∞+」ベースで「MX-PROGRESS 15R」を追加、リア(♯5)だけに「MX-∞」に交換するセッティングが自分の体格ではgoodで した! 

ここまで「MX-∞」との組み合わせを紹介してきましたが、 もちろんデフォルト状態でのバランス感と操作性 が、 ジャイアントベイトを動かす竿としての最適解。

ただ、 重量級のルアーキャスティングがもたらす体への負担はとても大きいものです。

個々人の体格やフィールドにあったレングス、 バランスが見つかると、 想像以上に快適な釣りが展開できると思います。 

さて、ここからは、 魚を掛けてからの話。

プロトに触って頂いた方の第一声は、 ほとんどが 「コレ曲がるの?笑」 でした。

結論から言えば、 魚を掛けてからのことは考えていません笑(少なくとも自分は) 

何度も言いますが、 動かすための竿。

アクションの入力パワーをロッドに吸収させることなく、ダイレクトにルアーに伝えるための竿なので、逆に魚が食いついた場合、魚の力はダイレクトに体へ伝わります。

アカメや海外などの大型魚と対峙する場合は、 操る人間の肉体ポテ ンシャルがカギになってきます笑。

事実、 僕もこの竿で昨年3本のアカメを掛けていますが、 フッキングに持ち込む以前に竿が伸され、 カルコンMD400フルロックのドラグをいともせず放出された後フックオフ。 

体幹と体重の問題もありますが、 まさに体格、 対象魚に合ったセッティングの大切さを痛感しました。 

ファイトの際は、 掛けてからは基本竿を立てず、 リーリングで寄せることを推奨します。

エラ洗いや急な方向転換に、 ティップは対応できませんので、 竿を立てるとバラしのリスクが増えるためです。

巻き取りが早く、 ドラグの強いリールで全て捩じ伏せましょう(カルコンMD推奨、 シーバスでもマッチョ個体相手にスコーピオンMDだと、ドラグズルズルです)

参考までに、僕の1番出番の多いジャイアントベイトセッティングが以下になります。 

ロッド:「MX-∞+」&「MX-PROGRESS 15R」(合計7’2″ft)

リール:シマノ/カルカッタコンクエストMD400

ライン:バリバス/アバニ ジギング10×10 マックスパワーPE X9(8号)& リーダー80lb 

ルアー:4〜12oz(K9、マグナムシャイングライド230、スラスイ250、 グレイス280、アイスライド265R、尺ワン、フレンジー、ハイドロ350など)※投げるだけなら1000gも可能

ルアーの重さ、 リールの大きさ、 糸の太さ……楽にできる釣りではありません。

セッティングを見つけると同時に、 自身の体格からもタックルに合わせて いく必要すらあります笑 

掛かってからのことを考えていない(と僕には思える笑)竿とはいえ、 曲がる竿に比べてキャッチ率が下がったわけではありません。

その理由のひとつが、ヘッドショットセッティング。

ここまで出てきた写真を見ていただければわかる通り、 この竿での釣果は全てヘッドショット。

もっと詳しく言えば、 “陸チューン”。 

ある意味で、ルアーアクションに全振りしたMX-∞+」でしか引き出せない魚の存在、その必然が、フックセッティングを決定的に進化させたとも言えます。

“陸”で、ショアからのジャイアントベイトシーバスゲームでこれだけ釣り込まれた竿もないんじゃないかと思います笑

……フックセッティングの話になると、 それだけで1本のレポートになってしまうので次回で詳しく書けたらと思います。

岸釣りは単独行が多いため、魚のダメージを考えると置き撮りがメインになりますが、それがある意味証拠。

ショア・ジャイアントベイトシーバスは、デイでいい。

むしろ、ショアからは昼こそジャイアントベイトの出番、「MX-∞+」の仕事の時間です笑。

……以上、シーバスでのテストをメインにまとめてみましたが、 ディアモンスターの真骨頂である海外の釣りにも非常に期待値の高い竿。

あの魚にこのアプローチができたら…というイメージは止まりません笑

そのあたり 小塚さんがまとめてくれると思いますが、 過去の“常識”を変えていく、まさに『楽しい未来』 な「MX-∞+」。

国内外、熱狂の世界へ踏み出す一本として、手にとってもらえたら嬉しいです

もちろん、 国内の超ヘビーカバーの雷魚ゲームにもバッチリですよ!笑

それではまた〜!

<関連ページ・レポート>


齢18歳の現役高校生(2023年1月現在)。中学校の修学旅行で向かう沖縄に、大物に耐えうるロッドを忍ばせたいとのきっかけでモバイルロッドに興味を持つ。知り合いの牧場で“お手伝い”し、初めての自腹で購入したロッドがディアモンスター「MX-7」(決めてはスピニングモードとくるくるシ ート)。 高校在学中から海外遠征を志すも、入学と同時にコロナ禍で足止め。結果、腐ることなく国内での大型魚釣りに高頻度で挑戦し、才能が一気に開花(しつつある)。 高校卒業後、しばらくは海外釣行を軸にした生活を計画中。