ジャイアントベイトの世界へのいざない。〜シュウヤ的、東京湾シーバス2023まとめ〜

シュウヤです。

昨年秋から拠点を東京へと移し、数年前から少しずつ手を出していたBBSB(ビッグベイトシーバス)に本腰を入れてきました。

海無し県育ちの僕からすると、時間や時期で変動する“潮”がとても苦手で、苦戦していましたが身近になれば話は別。

バイト終わりにそのまま釣りができる環境を活かして少しずつですが“潮位”を掴めるところまできました。

同時に秋。

昨年は各地でのイベント参加やフィールドにも足を運び、シーバスゲームのお話を聞きましたが、やはり東京湾の秋は別格。

潮位さえ当てれば、どこでも水面爆発。

自身、その御影の濃さにあやかりバイト終わりの数時間で短日3〜10本を安定してとりきれるところまで成長。

もちろん、ルアーアクションのキモやバスとは違うバイトモーション、タイミング、セッティング、タックルバランスなど大切なことだらけで、いまだに模索中ですが(それぞれInstagramやレポートでまとめていこうと思います)コロナ禍に自転車で地元を駆け回り、バスに沼ったあの頃を思い出す、新鮮な毎日です笑

メインとしていたルアーサイズは、150〜200mm、HUNTERSの「HT-6/7」にPE4号リーダー40lbがピシャリとくるあたり。

川合さんの過去レポートにもありますが、ボート陸っぱり問わずBBSBにはやはり“67”(通称ロクナナ)。

さらに言えば、ポイントが多く、足場や環境が変わりやすい東京湾では、可変システムもとても役立ちます。

<ジャイアントベイトの世界へ>

そんな“秋爆”に飽きかけたあたりで踏み入れたジャイアントベイトの世界。

個人的には、アカメや鹿児島シャークキャスティング、海外での武器のひとつに、その練習になればと投げ始めました。

想像はしていましたが、圧倒的な存在感に引きつけられる魚の数に驚きつつ、口を使わせるところであと一歩届かず。

タイミングよくお話を頂き、ひとつヤマを越えたのがモンキスBBSBイベントでした。

釣果や内容は小塚さんがまとめてくれている通りなので、ここからは僕なりのジャイアントゲームをまとめていこうと思います。

「デカいから出てくる」とか「コレだから釣れる魚が……」みたいなジャイアントベイトの売り文句(?)はさておき、ここでは先駆者の方たちへのリスペクトも込めつつ、僕の体験した事実のみを……。

<ルアーセッティングとアクション>

メインとしていた、ジョインテッドクロー303尺ONE。

写真を見て始めに目がいくのは、やはりジョイント部ではないでしょうか?

見ての通り、限界まで“削った”ジョイントに輪ゴムを入れた機構は、数年前から小塚さんが使用しているカスタム。

この機構のメリットは、「角度調整が自由なこと」と「曲がるけど折れない」こと。

純正の尺ONEはジョイント幅の狭さから、極端な言い方をすれば動かない。

ジョイントを削ることによって、いわばクラッシュ9のような細かい首振りができるようになります。

この状態でも十分扱いやすいルアーになりますが、サイズゆえの寄せるチカラはあるものの、テールの反発が大きくアクションが歪むためバイトまではほど遠く……。

そこで、輪ゴムを入れて可動域を調節。

こんな道具持ち歩くことになるとは……笑

ピンセットは輪ゴムを減らすときに必須です。

伸びるけれど戻る輪ゴムの性質を生かし、瞬発的なアクションで「曲がる」。

そして「戻る」チカラで「飛ぶ」。

この、「飛ぶ」がひとつめのキーでした。

ここでの「飛ぶ」は、飛距離ではなくグライド幅のことです。

ボート上で輪ゴムを足したり増やしたりしつつさまざまなアクションを試す中、ついてきたシーバスが1番距離をつめてくるのが、ルアーの横っ飛びが決まったとき。

尺ONEに関しては、「グワーン、グワーン」というグライドではなく、「パーン!パーン!」と弾くような感じ(擬音ですみません笑)が効果的なようで、「飛ばす」という表現になります。

飛ばすことの大切さは、よく聞いていましたが実際に体感するとすんなり頭に入る。

百聞は一見にしかず、でした。

飛ばすことに重点を置いてみると、ルアーのセッティングも決めやすくなります。

オモリの設定、ルアーの姿勢、グライドしたルアーのフックが、遅れてくるラインをどうしたら拾わなくなるか(このあとにその方法も)など。

3日間あるBBSBイベントの初日、ノーフィッシュで終わりつつも、魚影の濃さ、反応の多さから、この辺りをかなり煮詰めることができて、バイトまで持ち込むことができました。

セッティングさえ決まれば、ある程度簡単な操作で魚は口を使ってくれる。

2日目以降、尺ONEだから見れるステージに辿り着くまでは、早かったように思います。
(とはいえ、ターザンさんの4連発は圧巻でした笑)

現在では、その日の水質にあわせた輪ゴムの本数、オモリの量、フックサイズまで数値化しつつありますが、それを探すのがこの釣りの醍醐味でもあると思っているので、詳しい数字は控えておこうと思います笑(直接聞いていただければ、分かる範囲でお答えします!)

セッティングが決まり、いい動きがでるとすぐに反応が得られるのがこの釣りの面白いところ。

キモは、「釣れるまで信じて投げ切ること」ではなく、「100点のグライド(or飛ばし)を見つけること」(東京湾に限った話かもしれませんが)。

投げているものが重く必然的にタックルも強化されているため、強い釣りのイメージがありますが、やりこむほどに繊細でテクニカル。

“パワーゲーム”とか“漢の釣り”みたいな感覚ではなく。

エリアトラウトのミノーイングがとても近い釣りのように思います。

<フック設定について>


先駆者の方やSNSでもよく見るラインアイにジギング用のアシストフック(チラシ針)がついたセッティング。

単純に「掛かるの?」と言われがちですがご安心を、尺ONEジョイント部分まで丸呑みです……笑。

シーバスが30cmクラスのルアーを頭から押さえ込むのは、もう周知だとして(体感230mmクラスでは腹側からも突き上げ、頭ねらいは25cm以上のイメージ)僕がこのシステムにする理由はそのほかに3つ。


ひとつは、単にかっこいいから。

大型のトレブルフックをぶら下げたルアーよりもシルエットがシンプルでカッコいいんですよね笑。

さらにいえば、シンプルなシルエットになることで、魚の警戒心も抑える効果があるのではと思っています。


2つ目は、バラしが少ないこと。

30cmクラスのルアーがシーバスの口の中に収まることはほぼ確実に無く、高確率でフロントもしくはリアフックがボディやエラに掛かります。

また、ルアー重量から必然的に強いタックルで扱うことになるので、致命的なキズを増やしたり、身切れすることが予想され……リリース前提ならできるだけ避けたいですよね?

だから、フックを減らす。

貴重なバイトをものにできないこともありましたが、原因は大抵針先が甘いか、食わせ方が100点じゃないこと。

むしろ100点の食わせ方で、フックが喉奥に掛かり出血してしまう、なんてこともありました(トレブルフックの方が“嵩張る”ため喉の奥まで行きにくい)。

優しい、と見せかけて完全に急所を突いたフックシステムでもあるようです(矛盾してますかね?笑)

最後、3つ目のメリットは、大きいグライドでリーダーを拾わないこと。

勢いのあるアクションでは、ルアーがリーダーを追い越して飛ぶため、次のグライドでトレブルフックを拾ってしまったり。

そもそもキャスト姿勢が安定しずらい尺ONEをはじめとしたジャイアントベイト、ノートラブル、ノーストレスで投げ続けられる安定感は、シングルツインフックの1番のメリットかもしれません。

<ロッドの重要性>

グライドを飛ばすための竿選びをすると、やはり“操作形”に振り切った竿が必要です。

ティップが入る竿ではルアーのキレを失うので、より硬く、そして操作感を優先するための軽量感。

分かりやすく、曲がる・獲れるハンターズの対極側、高弾性を活かしたいわゆるパキンパキンの竿。

けれど、300gクラスを振り抜ける安心感は欲しい……。

モンキスラインナップのなかでもジャイアントベイトシーンに圧倒的な信頼のある「MX-∞」。

圧倒的な安心感(強度面)とそれに反比例する軽さ、それでいてアンダー50cm(東京湾というアーバンフィールド&電車移動がメインのスタイルでは必須、そしてスマートでかっこいい笑)……と、まあこれで十分というかこれ以外選択肢も少ないんですが。

現在メインロッドとしてチラチラ写真にも載せている、「Dear Monster MX-∞∞」(プロト)

細かくみれば様々ちおがいはありますが、簡単に説明すると、ティップを1ガイド分約10cm詰め、より硬く、ジャイアントベイトを操作するための最適解を出した「MX-∞」。

だいぶ前から小塚さんが使い、発売を踏みとどまっている(モノ自体は完成してる)竿なだけに、ある程度ジャイアントベイトに素地がある人ならすぐわかるのだと今は理解できましたが、ルアーのキレと扱いやすさの違いには、初めて使った時には本当に驚きました

実際、イベントなどで触っていただいた方からは発売希望の声を多数いただきますが、小塚さんが発売を思いとどまっているのが、「果たしてどこまでジャイアントベイトの本質を理解して頂ける人がいて、需要があるのか」……という理由、ではなくて。

「修理品で戻ってきた、車のドアに挟んで折れたティップが良すぎて笑。ベリーやグリップだ色々イジってみても、本質的にそこを越えられないから笑」というのが、理由なようです笑。

「ティップだけ変えれば事足りるもので、独立した1モデルとしてお金もらっていいのか?」とずっと悩んでいるらしい笑……それぐらい、この釣り(ジャイアントベイトのアクション)にはティップが大事(ティップだけ売ってください!笑)

ちなみに同じ∞∞(ダブルインフィニティ)表記、HUNTERSの「HT-∞∞」との違いですが、超重量級を“投げる”(背負える)そして大型魚を竿で獲れるのがハンターズ。

対して、重量級を“操作する”ための竿がDear Monster 。

ディアモンは、中でも極致の∞∞(プロト)は、操作に振り切っているくらいのイメージなので、魚をかけた後は釣り人側の技量が試されるイメージです(アカメなんかか掛けたら体飛ぶかも笑)

ある意味、ハンターズとディアモンスターの特徴が1番はっきり出てるのが“∞∞”(ダブルインフィニティ)の2本ですね。

話が逸れますが、硬い竿の良さが掴めると、度々HUNTERS使いのアングラーの間で話題となる「HT-6/7」の“7”(ロングモード)と、「HT-7/8」の“7”(ショートモード)の使い分けが、よりクッキリしてきます。

ここの使い分け、個人的な今年のテーマにしつつ、またレポートにまとめていこうと思っています!

<ジャイアントベイトの出しどころ>

まだまだ模索中ですが、自分の使い方では日が高くなればなるほど効く傾向にあります。

日の出から釣り始めても釣果がでるのは大抵8時以降。

夜の使い方も探したいのですが、アルバイトが時給UP目的で夜勤メインのため、なかなか機会がなく……(機会ができれば進めていきたいと思っています)

また、潮位がほとんど関係してこないのもジャイアントのいいところ。

ビッグベイトの釣りでは、チェイスからバイトに持ち込める“潮位”を意識して、それを当てていくことが多いのですが、ジャイアントではアクションさえ決まれば口を使ってくる印象。

時合を当てるビッグベイトに対し、本能を刺激するジャイアントベイト。

モンキスBBSBで遭遇した尺ONEでしか釣れない状況は、こういうことだったのでは?と考えています。

<その他、耳寄り情報>

こぼれ話になりますが、ダイソーさんからでている、折りたたみ傘ケースが尺ONEにドンピシャ!

水も吸うしシングルツインフックなら針がらみもほとんど無し!

そしてもちろん¥108。

ぜひマネしてくれると嬉しいです笑

あとは、2024年も、モンキスのチャーター便が11/2(土)~11/4(月)の3連休と、昨年2023年と全く同時期の11/23(土)~11/25(月)の日程で固まっているそうです。

去年、自分がジャイアントベイトに“覚醒”したのは、3日間通しで乗ったからだと思います。

単日だけではどうしてもとにかく1匹顔を見ることに意識が行きがち、連続的な3日間の中で、トライ&エラーを繰り返して、ナニカを掴むことができました。

応募多数で結果単日の釣行では、遠方から交通費をかけてまでは参加しづらい……そんな声を受けて、ゆとりを持った枠&アナウンスで今年は開催予定。

北海道や九州、沖縄の方も、ちょっとした海外遠征のようなつもりで3日間じっくり腰を据えて取り組まれてはいかがでしょうか?

……以上、細かく書き分けましたが、まだまだ分からないことや発見続きのジャイアントベイトゲーム。

自分の中ではシーバスに始まりましたが、国内外問わずあれこれ妄想は膨らんでいるので、これからも進化していけたらと思います!

<関連ページ、レポート>

齢18歳の現役高校生(2023年1月現在)。中学校の修学旅行で向かう沖縄に、大物に耐えうるロッドを忍ばせたいとのきっかけでモバイルロッドに興味を持つ。知り合いの牧場で“お手伝い”し、初めての自腹で購入したロッドがディアモンスター「MX-7」(決めてはスピニングモードとくるくるシ ート)。 高校在学中から海外遠征を志すも、入学と同時にコロナ禍で足止め。結果、腐ることなく国内での大型魚釣りに高頻度で挑戦し、才能が一気に開花(しつつある)。 高校卒業後、しばらくは海外釣行を軸にした生活を計画中。